奥歯が突然欠けてしまったら、痛みや違和感、そしてどうすれば良いのかという不安でパニックになってしまうかもしれません。すぐに歯科医院を受診するのが最善ですが、それが難しい場合に備えて、自宅でできる応急処置の方法と注意点を知っておくことは大切です。ただし、これらはあくまで一時的な対処であり、根本的な解決にはならないことを理解しておきましょう。まず、欠けた部分が鋭利になっている場合、舌や頬の内側を傷つけてしまう可能性があります。できるだけ「患部に触らない」ように心がけましょう。気になって舌で触ったり、指でいじったりすると、症状を悪化させたり、細菌感染のリスクを高めたりすることがあります。もし、欠けた歯の破片が見つかった場合は、捨てずに保管しておきましょう。歯科医院に持参することで、治療の参考になったり、場合によっては再利用できる可能性もゼロではありません。ティッシュなどに包むと誤って捨ててしまうことがあるので、小さな容器などに入れておくと良いでしょう。痛みがある場合は、「市販の鎮痛剤」を服用するのも一つの方法です。用法・用量を守って使用しましょう。ただし、痛みが強い場合や、鎮痛剤が効かない場合は、我慢せずに早めに歯科医院を受診することが重要です。患部を「冷やす」ことも、炎症による痛みを和らげるのに役立つ場合があります。清潔な濡れタオルや、タオルで包んだ保冷剤などを、頬の外側から軽く当てるようにして冷やします。ただし、直接氷を口に含んだり、長時間冷やし続けたりすると、かえって血行が悪くなり、治癒を妨げる可能性もあるため注意が必要です。食事の際は、欠けた歯に負担がかからないように、できるだけ「反対側の歯で噛む」ようにしましょう。また、硬いものや粘着性の高いもの、刺激の強いもの（熱いもの、冷たいもの、辛いものなど）は避け、柔らかく消化の良いものを選ぶように心がけてください。口腔内を清潔に保つことは重要ですが、欠けた部分を「強く磨いたり、刺激したりしない」ように注意しましょう。うがいも、強くブクブクするのではなく、ぬるま湯などで軽く口をゆすぐ程度にします。注意点として最も重要なのは、「自己判断で欠けた部分を接着剤などでくっつけようとしない」ことです。市販の接着剤は歯科用ではなく、体に有害な成分が含まれていたり、歯にさらなるダメージを与えたりする可能性があります。