子供のオーラルケアは、将来の健康な歯と口腔環境を育む上で非常に重要です。歯磨きが基本であることは言うまでもありませんが、うがいができるようになったお子さんには、マウスウォッシュを補助的に使用することで、虫歯予防効果を高めることが期待できます。しかし、大人用のマウスウォッシュは刺激が強すぎたり、成分が子供に適していなかったりするため、必ず子供向けの製品を選ぶ必要があります。歯科医師が子供向けマウスウォッシュを選ぶ際に考慮するポイントや、推奨されるタイプについて解説します。まず最も重視されるのは「安全性」です。子供は、うがいがまだ上手にできず、誤ってマウスウォッシュを少量飲み込んでしまう可能性があります。そのため、万が一飲み込んでも体に大きな害のない成分で作られていることが大前提となります。多くの子供向けマウスウォッシュは、この点を考慮し、アルコールフリー(ノンアルコール)で、刺激の少ないマイルドな香味(フルーツ味など)に調整されています。次に、虫歯予防効果を高めるための有効成分として、「フッ素(フッ化物)」が配合されているものが歯科医師から強く推奨されます。フッ素には、歯の再石灰化を促進し、歯質を強化し、虫歯原因菌の酸産生を抑制するという、子供の虫歯予防に非常に有効な3つの働きがあります。ただし、フッ素濃度については注意が必要です。年齢によって適切なフッ素濃度があり、過剰な摂取は斑状歯などの問題を引き起こす可能性があるため、歯科医師や歯科衛生士の指導のもとで、お子さんの年齢や口腔内の状況に合ったフッ素濃度の製品を選ぶことが重要です。また、「キシリトール」などの虫歯予防効果が期待できる天然由来の甘味料が配合されている製品も良い選択肢です。キシリトールは、虫歯原因菌の増殖を抑えたり、酸の産生を抑制したりする効果があります。子供が「喜んで使ってくれること」も、継続的なケアのためには大切な要素です。そのため、子供に人気のキャラクターがデザインされたパッケージや、好みに合ったフルーツ風味など、楽しくオーラルケアに取り組めるような工夫がされている製品を選ぶのも良いでしょう。使用を開始する目安としては、水を口に含んでブクブクうがいをして、きちんと吐き出せるようになる3歳~4歳頃からですが、個人差があります。
子供向けマウスウォッシュ歯科医の選び方