ホワイトニング後の食事で気をつけるべきなのは、色の濃いものだけではありません。「酸性の強い食べ物や飲み物」も、施術後のデリケートな歯にとっては避けるべきものの一つです。なぜホワイトニング後に酸性のものが良くないのか、そして具体的にどのようなものが該当するのかについて解説します。ホワイトニング剤は、歯の表面を覆っている保護膜である「ペリクル」を一時的に除去します。ペリクルが再生するまでの間(通常12時間~24時間程度)、歯の表面のエナメル質は外部からの刺激に敏感になっています。酸性の強い飲食物は、この無防備なエナメル質を溶かしやすく(酸蝕:さんしょく)、歯の表面を荒らしたり、知覚過敏を引き起こしたりする原因となる可能性があります。また、歯の表面が荒れることで、かえって色素が付着しやすくなるという悪循環も招きかねません。では、具体的にどのようなものが酸性の強い食べ物や飲み物に該当するのでしょうか。まず、果物では「柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)」が代表的です。これらはクエン酸を多く含んでおり、酸性度が高いです。その他、いちごやキウイフルーツ、パイナップルなども比較的酸味が強い果物です。飲み物では、「炭酸飲料(コーラ、サイダーなど)」は非常に酸性度が高く、歯を溶かすリスクが高いことで知られています。スポーツドリンクや栄養ドリンク、一部の野菜ジュースやフルーツジュースも、糖分だけでなく酸も多く含んでいる場合があるため注意が必要です。お酒では、「ワイン(特に白ワイン)」や「日本酒」なども酸性度が高い傾向があります。「酢の物」や「ドレッシング(特に酢を多く使ったもの)」、「ピクルス」といった、お酢を使った料理も、当然ながら酸性が強いです。これらの酸性の強い食べ物や飲み物は、ホワイトニング施術後、特にペリクルが再生されるまでの24時間~48時間は、できるだけ摂取を控えることが推奨されます。もし摂取してしまった場合は、すぐに歯を磨くのではなく、まず水で口をよくすすぎ、30分ほど時間をおいてから歯を磨くようにしましょう。酸で柔らかくなった歯の表面を、すぐに歯ブラシで擦ると、かえって歯を傷つけてしまう可能性があるためです。ホワイトニング効果を長持ちさせ、歯の健康を守るためにも、施術後の食事内容には十分注意しましょう。
ホワイトニング後酸性の食べ物はNG?