顎の痛みが頭痛を伴う場合、「内科」や「脳神経外科」を受診すべきか迷うこともあるでしょう。特に、慢性的な頭痛に悩まされている方や、顎の痛みが強い場合には、より重篤な疾患を心配する気持ちも理解できます。実際に、顎の痛みがこれらの診療科で診られる可能性はゼロではありませんが、あくまで「他の原因が除外された後」や「特定の症状がある場合」に限られることが多いです。内科は、全身の臓器やシステムに関する幅広い疾患を診る診療科です。顎の痛みが内科で診られるケースとしては、例えば、リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病が顎関節に炎症を引き起こす場合や、シェーグレン症候群のような自己免疫疾患が唾液腺の機能不全を起こし、それに伴う顎の不快感や痛みを訴える場合などが考えられます。また、非常に稀ですが、心臓病(狭心症や心筋梗塞)の放散痛として顎に痛みを感じることがあり、特に左顎に症状が出る場合は注意が必要です。しかし、これらのケースは通常、顎の痛み以外の全身症状(関節の腫れ、発熱、倦怠感、胸痛など)を伴うことがほとんどです。脳神経外科は、脳や脊髄、末梢神経系の疾患を専門とする診療科です。顎の痛みと頭痛を伴う場合、脳神経外科を受診する可能性が出てくるのは、主に「三叉神経痛」や「舌咽神経痛」といった神経痛の疑いがある場合です。三叉神経は顔面や顎の感覚を司る神経であり、この神経に異常が生じると、電撃のような激しい痛みが顎や顔面に突然現れることがあります。また、頭痛が非常に強く、吐き気や意識障害を伴う場合など、脳疾患(脳腫瘍、くも膜下出血など)の可能性が否定できない場合は、緊急で脳神経外科を受診する必要があります。しかし、これらの疾患による顎の痛みは、顎関節症の痛みとは性質が異なることが多く、専門医が問診や検査で鑑別します。多くの場合、顎の痛みと頭痛の組み合わせは、顎関節症が原因である「筋緊張性頭痛」であることが一般的です。顎関節症によって顎周りの筋肉が緊張し、その緊張が頭部に広がることで頭痛を引き起こします。この場合、まずは歯科口腔外科で顎関節症の治療を行うことが、頭痛の改善にも繋がります。
顎の痛みと頭痛?内科や脳神経外科の可能性は?