子供のベロにできものができると、親御さんはとても心配になることでしょう。子供に特有の病気が原因であることもあり、大人の場合とは少し異なる視点での注意が必要です。子供のベロにできるできものとして考えられる主な病気について解説します。まず、大人と同様に「アフタ性口内炎」は子供にもよくできます。ストレスや疲れ、栄養不足、口の中を噛んでしまうなどが原因となります。白っぽい潰瘍で、痛みを伴います。次に、子供に多い感染症として「ヘルペス性歯肉口内炎」があります。これは単純ヘルペスウイルスの初感染で起こることが多く、特に生後6ヶ月から3歳くらいの乳幼児によく見られます。高熱とともに、歯茎が真っ赤に腫れ上がり、口の中や舌、唇に多数の小さな水疱ができ、それが破れてびらんや潰瘍になります。非常に痛みが強く、食事や水分が摂れなくなることもあります。「手足口病」も、主に夏に流行するウイルス感染症で、その名の通り、手のひら、足の裏、そして口の中に水疱性の発疹ができます。舌にも水疱や潰瘍ができるため、口内炎と似た症状が出ます。発熱を伴うこともあります。また、「溶連菌感染症」では、喉の痛みや発熱とともに、舌が赤くブツブツになる「イチゴ舌」という特徴的な症状が現れることがあります。これは舌乳頭が炎症を起こして腫れた状態で、できもののように見えることがあります。溶連菌感染症は、合併症を防ぐためにも抗生物質による適切な治療が必要です。さらに、ビタミン不足、特にビタミンB群が不足すると、舌炎を起こしやすくなります。舌の表面が赤くなったり、ツルツルになったり、ヒリヒリとした痛みが出たりすることがあります。「地図状舌(ちずじょうぜつ)」も、子供に見られることがある状態で、舌の表面に地図のようなまだら模様が現れます。模様の形や位置が変化するのが特徴で、通常は痛みはありませんが、時にピリピリとした刺激感を感じることもあります。原因は不明ですが、体調やストレスと関連があるとも言われています。これらの他にも、まれにアレルギー反応や、先天的な異常が原因でベロにできものができることもあります。