スポーツ活動中に顎に痛みを感じた場合、特に外傷が原因であれば、「スポーツ整形外科」も選択肢の一つとして考えることがあります。しかし、顎関節は一般的な関節とは構造が異なるため、多くの場合、専門は「歯科口腔外科」となります。スポーツ整形外科は、スポーツによる怪我や障害を専門とする診療科で、骨折、靱帯損傷、筋肉の損傷などを診断・治療します。もし、スポーツ中に顔面や顎に直接的な強い衝撃を受け、顎の骨折(下顎骨骨折など)や顎関節の脱臼、顔面骨の骨折などが疑われる場合は、救急科または整形外科、そして歯科口腔外科への受診が適切です。特に、顎の骨折や脱臼は緊急性が高く、早急な処置が必要です。スポーツ整形外科医は、全身の骨格や関節に関する知識は豊富ですが、顎関節の解剖学的特徴や疾患、噛み合わせの問題に関しては、歯科口腔外科医が専門とします。顎関節は、人体で最も複雑な関節の一つであり、開閉運動だけでなく、前後左右の滑走運動も行います。また、噛み合わせがその機能に大きく影響するという点で、他の関節とは異なる専門的な視点が必要となります。スポーツによる顎の痛みで、スポーツ整形外科を受診すべきケースは、主に顔面や顎への「強い外力による明らかな外傷」があった場合と考えられます。例えば、ボールが直撃した、転倒して顔面を強打した、格闘技でパンチを受けた、といった状況です。このような場合、まずは整形外科で骨折の有無を確認してもらい、その上で歯科口腔外科医と連携して顎関節の状態を評価することが必要になります。一方で、直接的な外傷ではなく、スポーツ中の「食いしばり」や「力み」が原因で顎に痛みが出ている場合は、通常の顎関節症と同様に歯科口腔外科が専門となります。例えば、重量挙げやテニス、ゴルフなどのスポーツでは、瞬間的に強い力を出す際に無意識に歯を食いしばることが多く、これが顎関節や咀嚼筋に負担をかけることがあります。この場合、マウスピース(マウスガード)の作成や、噛み合わせの調整など、歯科的なアプローチが有効です。
スポーツによる顎の痛みはスポーツ整形外科でも診れる?