顎の痛みがなかなか治まらず、一つの医療機関で治療を受けても改善が見られない場合、不安が募るものです。そんな時、セカンドオピニオンを求めたり、別の診療科を受診したりすることを検討するかもしれません。複数の医療機関を受診する際には、いくつかのポイントを押さえておくことで、よりスムーズかつ効果的に診断や治療を進めることができます。まず最も重要なのは、これまでの経緯や受けた検査、治療内容を正確に次の医師に伝えることです。可能であれば、前の医療機関からの紹介状(診療情報提供書)や検査結果(レントゲン写真、血液検査データなど)を持参すると、重複した検査を避けることができ、医師も的確な判断をしやすくなります。何をいつから、どのように痛むのか、どんな治療をどのくらいの期間受けたのか、そしてその効果はどうだったのか、といった情報を時系列で整理しておくと良いでしょう。お薬手帳も必ず持参し、現在服用している薬や過去に処方された薬の情報を伝えられるようにしておきましょう。また、複数の診療科を受診する場合、それぞれの医師に、他の科でどのような診断を受け、どのような治療を提案されているかを正直に伝えることが大切です。これにより、各専門分野の医師が連携を取りやすくなり、多角的な視点から最善の治療法を見つけ出す助けとなります。顎の痛みの原因は多岐にわたるため、歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科、神経内科、整形外科、場合によっては心療内科など、複数の専門分野が関わってくることがあります。例えば、顎関節症だと思って歯科で治療を受けていたけれど改善せず、実はストレス性の食いしばりが原因で心療内科的アプローチが有効だった、あるいは三叉神経痛が原因で神経内科の治療が必要だった、というケースも考えられます。諦めずに根気強く原因を探っていく姿勢が重要ですが、その過程で医療不信に陥らないためにも、医師とのコミュニケーションを密にし、納得のいく説明を受けることが大切です。長引く痛みは心身ともに負担が大きいですが、適切な情報共有と連携によって、解決の糸口が見つかることを信じましょう。
長引く顎の痛み複数受診時のポイント解説