一度ドライソケットのつらい経験をすると、二度と繰り返したくないと心から思うでしょう。幸い、ドライソケットは適切な予防策を講じることで、そのリスクを大幅に減らすことができます。抜歯後のケアを中心に、再発防止のためにできることをいくつかご紹介します。まず、抜歯後の歯科医師からの指示を徹底して守ることが最も重要です。特に、「強いうがいをしない」という指示は、ドライソケット予防の基本中の基本です。抜歯窩にできた血餅(血の塊)は、治癒のための大切な「かさぶた」です。強いうがいは、この血餅を剥がしてしまう最大の原因となります。口をすすぎたい場合は、水を口に含んで優しく吐き出す程度にしましょう。次に、「喫煙をしない」ことです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血流を悪化させるため、傷の治りを著しく遅らせます。また、喫煙時の吸い込む力自体が、血餅を剥がしてしまうリスクを高めます。抜歯前後の禁煙は、ドライソケット予防において非常に効果的です。できれば、抜歯を機に禁煙するのが理想ですが、少なくとも抜歯後1週間、できれば治癒が確認されるまでは禁煙を心がけましょう。「抜歯窩を舌や指で触らない」ことも大切です。気になってつい触ってしまいたくなるかもしれませんが、細菌感染のリスクを高めたり、血餅を傷つけたりする可能性があります。また、「ストローで飲み物を飲まない」ようにしましょう。ストローを使用すると、口の中に陰圧が生じ、血餅が吸引されて剥がれてしまうことがあります。コップから直接飲むか、スプーンなどを使いましょう。抜歯当日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒は避けてください。これらは血行を促進し、再出血を招いたり、血餅の安定を妨げたりする可能性があります。安静に過ごすことが基本です。食事は、抜歯当日は柔らかく刺激の少ないものを選び、抜歯した側とは反対側で噛むようにしましょう。処方された抗生物質や鎮痛剤は、指示通りにきちんと服用することも、感染予防や炎症抑制に繋がり、間接的にドライソケットの予防になります。
ドライソケット再発防止のためにできること