ブリッジ治療を受けた後、歯に痛みや違和感が生じた場合、「そのうち治るだろう」「これくらいなら大丈夫」と自己判断で我慢してしまうのは、あまり良いことではありません。痛みの原因によっては、放置することで症状が悪化したり、最終的にブリッジや支台歯(ブリッジを支えている歯)を失うことになりかねないからです。ブリッジの歯痛を感じたら、我慢せずに早めに歯科医院を受診することが重要です。歯科医院では、まず患者さんから痛みの状況(いつから痛むのか、どのような時に痛むのか、痛みの種類や強さなど)を詳しく聞き取ります(問診)。そして、口腔内を視診し、ブリッジの状態、支台歯や周囲の歯肉の状態、噛み合わせなどを確認します。必要に応じて、レントゲン撮影を行い、支台歯の根の状態、歯槽骨の状態、虫歯の有無などを詳細に調べます。場合によっては、歯周ポケットの深さを測定したり、歯の動揺度を検査したりすることもあります。これらの診査・検査の結果に基づいて、痛みの原因を特定します。痛みの原因が二次虫歯であれば、ブリッジを一度外して虫歯の治療を行い、再度ブリッジを作製するか、状態によっては他の治療法を検討することになります。歯周病が原因であれば、歯周病の治療(スケーリング、ルートプレーニング、歯周外科など)を行い、プラークコントロールの徹底を目指します。噛み合わせの問題であれば、ブリッジの表面を調整して適切な噛み合わせに戻します。歯根破折が疑われる場合は、CT撮影などで確定診断を行い、多くの場合、抜歯が必要となることもあります。根尖性歯周炎であれば、根管治療の再治療が必要になることもあります。このように、ブリッジの歯痛の原因は多岐にわたり、それぞれ対処法も異なります。早期に原因を特定し、適切な治療を開始することが、症状の悪化を防ぎ、ブリッジや支台歯を長持ちさせるために非常に重要です。痛みを我慢している間に、虫歯が神経まで進行してしまったり、歯周病が手遅れの状態になってしまったりするケースも少なくありません。「おかしいな」と感じたら、まずはかかりつけの歯科医師に相談しましょう。専門家による的確な診断と治療を受けることが、問題解決への最も確実な道です。