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子供の顎の痛み何科へ連れて行くべきか
お子さんが「顎が痛い」と訴えてきたら、保護者の方は心配になることでしょう。子供の顎の痛みの原因は大人とは異なる場合もあり、また、症状をうまく伝えられないこともあるため、慎重な対応が求められます。どの診療科に連れて行くべきか迷うこともあるかと思いますが、いくつかの可能性を考慮して適切な医療機関を選びましょう。まず考えられるのは、小児歯科または一般歯科です。子供の顎の痛みで多い原因の一つに、歯の生え変わりや虫歯、歯肉炎があります。乳歯が抜けたり永久歯が生えてきたりする過程で、一時的に歯茎が腫れたり痛みが出たりすることがあります。また、虫歯が進行して神経に達したり、歯茎に膿がたまったりすると、顎まで痛みが広がることがあります。小児歯科医は子供の口の中のトラブル全般を専門としていますので、まず相談してみるのが良いでしょう。次に、顎関節症の可能性も子供にもあります。大人ほど頻度は高くありませんが、歯ぎしりや食いしばりの癖、片側だけで噛む癖、頬杖をつくなどの生活習慣、あるいは精神的なストレスなどが原因で発症することがあります。口を開けにくい、顎を動かすとカクカク音がする、食事の時に痛がるといった症状があれば、顎関節症を疑い、歯科や口腔外科で診てもらう必要があります。また、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)も顎の痛みを引き起こす代表的な病気です。耳の下にある耳下腺が腫れて痛むのが特徴で、発熱を伴うこともあります。この場合は、小児科または耳鼻咽喉科を受診します。その他、外傷によって顎を打った場合も、痛みや腫れの原因となります。転倒したり、遊んでいる最中にぶつけたりした場合などです。見た目に大きな変化がなくても、痛みが続くようであれば、歯科、口腔外科、あるいは整形外科で診てもらうと安心です。子供の顎の痛みは、原因を見極めることが大切です。いつから痛むのか、他に症状はないか(発熱、耳の痛み、口の開けにくさなど)、何かきっかけがあったかなどをよく観察し、医師に伝えるようにしましょう。判断に迷う場合は、まずかかりつけの小児科医や歯科医に相談し、適切な専門医を紹介してもらうのがスムーズです。