マウスウォッシュは、正しく使うことでその効果を最大限に発揮し、日々のオーラルケアをより充実させることができます。しかし、自己流の使い方では、せっかくの有効成分が十分に活かされず、期待した効果が得られないこともあります。歯科医師が推奨するマウスウォッシュの正しい使い方と、その際の注意点について詳しく解説します。まず、使用する「タイミング」ですが、最も効果的なのは「歯磨きの後」です。歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを使って、歯の表面や歯と歯の間に付着したプラーク(細菌の塊)を物理的にしっかりと除去した後にマウスウォッシュを使用することで、有効成分が歯や歯茎に直接、かつ効率よく作用します。プラークが残ったままの状態でマウスウォッシュを使用しても、有効成分がプラークのバリアに阻まれてしまい、十分な効果が得られにくいのです。次に、「使用量」です。製品のボトルやパッケージに記載されている適量を必ず守りましょう。量が多すぎても効果が格段に上がるわけではなく、むしろ無駄になったり、刺激が強すぎたり、誤飲のリスクを高めたりすることがあります。通常、キャップの内側の線などが1回分の目安になっていることが多いです。マウスウォッシュを口に含んだら、口全体にまんべんなく行き渡るように、しっかりと「ブクブクうがい」をします。頬を膨らませたり、舌を使って歯と歯の間や歯茎の隅々、舌の上など、口腔内のあらゆる部分に液体が行き渡るように意識しましょう。うがいをする「時間」も重要です。製品によって推奨される時間は異なりますが、一般的には20秒から30秒程度が目安とされています。時間が短すぎると、有効成分が十分に作用する前に吐き出してしまうことになります。使用後の「すすぎ」については、特に注意が必要です。フッ素配合のマウスウォッシュの場合、使用後に水で強くすすいでしまうと、せっかく歯の表面に付着したフッ素が洗い流されてしまい、その効果が大幅に薄れてしまいます。そのため、フッ素配合の製品の場合は、使用後は軽く吐き出す程度にするか、あるいは水ですすがない方が良いとされています。ただし、刺激が強い製品や、味が気になる場合は、ごく少量の水で軽く一度だけすすぐ程度なら許容範囲とされることもあります。
マウスウォッシュの正しい使い方歯科医が伝授