抜歯後にドライソケットを発症してしまった場合、その激しい痛みはいつまで続くのか、そして治療にはどれくらいの期間がかかるのか、不安に思う方も多いでしょう。ドライソケットの治療期間は、症状の重症度や個人の治癒力、そして治療開始のタイミングなどによって異なりますが、一般的な目安について解説します。まず、ドライソケットの痛みのピークは、発症してから数日間続くことが多いです。歯科医院で適切な処置(抜歯窩の清掃、薬剤填入など)を受けると、多くの場合、処置後から徐々に痛みが軽減していきます。しかし、一度の処置で完全に痛みがなくなるわけではなく、特に初めの数日は、処方された鎮痛剤を服用しながら様子を見ることが一般的です。治療のために歯科医院へ通院する頻度や回数も、状態によって異なります。軽症であれば、1~2回の処置と経過観察で済むこともありますが、症状が重い場合や、感染の兆候が見られる場合などは、数日から1週間おきに数回通院し、抜歯窩の洗浄や薬剤の交換が必要になることもあります。この間、歯科医師は抜歯窩の治癒状態を注意深く観察し、肉芽組織(治癒過程でできる新しい組織)が順調に形成されているか、感染の兆候はないかなどを確認します。一般的に、歯科医院での積極的な治療(洗浄や薬剤填入など)が必要な期間は、数日から2週間程度と考えておくと良いでしょう。この期間を過ぎると、徐々に抜歯窩の骨が新しい肉芽組織で覆われ始め、痛みが大幅に軽減し、日常生活への支障も少なくなってきます。ただし、痛みが完全になくなり、抜歯窩が完全に治癒(骨が再生し、歯肉で覆われる)するまでには、さらに時間がかかります。通常、抜歯窩が上皮で完全に覆われるまでには3~4週間程度、骨が完全に再生するには数ヶ月を要すると言われています。ドライソケットを発症した場合でも、この最終的な治癒期間が大幅に遅れるわけではありませんが、初期の痛みが強い期間が長引く傾向があります。大切なのは、自己判断で治療を中断せず、歯科医師の指示に従い、完治するまでしっかりと経過を診てもらうことです。早期に適切な治療を開始し、指示されたケアをきちんと行えば、つらいドライソケットの痛みも必ず改善に向かいます。