就寝中の歯ぎしりや、日中の無意識な食いしばり(ブラキシズム)は、奥歯に非常に大きな負担をかけ、歯が欠けてしまう原因の一つとなります。歯ぎしりによって欠けてしまった奥歯は、どのように治療されるのでしょうか。また、再発を防ぐためにはどのような対策が必要なのでしょうか。まず、歯ぎしりで奥歯が欠けてしまった場合、歯科医院では、欠けた範囲や状態に応じて修復治療が行われます。欠けた部分が小さければ、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)を詰めて修復することが一般的です。比較的大きな欠けであれば、インレー(詰め物)やクラウン(被せ物)による治療が必要になることもあります。使用する材料は、欠けた歯の状態や噛み合わせの力、審美的な要望などを考慮して選択されます。しかし、歯ぎしりが原因で歯が欠けた場合、単に欠けた部分を修復するだけでは根本的な解決にはなりません。なぜなら、歯ぎしりの癖が改善されなければ、修復した部分が再び破損したり、他の歯が新たに欠けたりするリスクが高いままだからです。そのため、歯科医師は、修復治療と並行して、歯ぎしりそのものへの対策を提案します。最も一般的な対策は、「ナイトガード(マウスピース)」の作製と装着です。ナイトガードは、就寝中に歯に装着する透明な樹脂製の装置で、歯ぎしりによる歯への直接的な衝撃を緩和し、歯や顎関節を保護する役割を果たします。これにより、歯が欠けたり、すり減ったりするのを防ぐだけでなく、歯ぎしりによる顎の痛みや頭痛などの症状を軽減する効果も期待できます。ナイトガードは、歯科医院で歯型を採って作製するため、個々の歯並びにぴったりと適合し、違和感も比較的少なく使用できます。また、日中の食いしばりがある場合は、それを意識してコントロールすることも重要です。例えば、上下の歯が接触していることに気づいたら、意識的に力を抜くようにしたり、深呼吸をしてリラックスしたりするなどのセルフコントロールが推奨されます。ストレスが歯ぎしりの原因の一つと考えられているため、ストレスを溜めないような生活習慣を心がけることも大切です。場合によっては、噛み合わせの調整が必要になることもあります。特定の歯だけが強く当たっているような不均一な噛み合わせは、歯ぎしりを誘発したり、歯への負担を増大させたりする可能性があるためです。
歯ぎしりで欠けた奥歯どう治す?