ベロにできた口内炎は、その場所が常に動いたり、食べ物や飲み物に触れたりするため、特に痛みが強く感じられやすいものです。このつらい痛みを少しでも和らげ、快適に過ごすためには、いくつかの対処法があります。ただし、これらはあくまで対症療法であり、根本的な治療ではないことを理解しておきましょう。まず、痛む口内炎への「刺激を避ける」ことが最も重要です。食事の際は、熱いもの、辛いもの、酸っぱいもの(柑橘類や酢の物など)、塩辛いもの、硬いものなど、刺激の強い食品は避けましょう。これらは患部を直接刺激し、痛みを増強させます。柔らかく、消化の良い、温度も人肌程度のもの(おかゆ、うどん、ゼリー、ヨーグルト、冷めたスープなど)を選ぶようにしましょう。飲み物も、炭酸飲料やアルコール飲料は刺激になるため避けた方が無難です。歯磨きの際も、歯ブラシが直接口内炎に当たらないように注意し、優しく磨くようにします。痛みが強い場合は、一時的に歯磨き粉の使用を控えたり、刺激の少ないものを選んだりするのも良いでしょう。次に、「口腔内を清潔に保つ」ことも、痛みの悪化を防ぎ、治癒を早めるためには大切です。食後は、ぬるま湯や刺激の少ない洗口液で優しくうがいをし、食べかすなどが残らないようにしましょう。ただし、強いうがいは患部を刺激する可能性があるので避けてください。痛みを和らげるためには、「市販の口内炎治療薬」を使用することも有効です。軟膏タイプやゲルタイプを患部に直接塗布したり、パッチタイプを貼り付けたりすることで、痛みを軽減し、患部を物理的な刺激から保護する効果が期待できます。スプレータイプの薬も、舌のような塗りにくい場所には便利です。薬剤師に相談して、症状や使いやすさに合ったものを選びましょう。また、意外と効果的なのが「患部を冷やす」ことです。清潔なガーゼで包んだ氷や、冷たい飲み物を口に含むことで、一時的に痛覚を麻痺させ、炎症を抑える効果が期待できます。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。これらの対処法を試みても痛みが改善しない場合や、痛みが非常に強い場合は、我慢せずに歯科医師や耳鼻咽喉科医に相談してください。医療機関では、より効果的な痛み止めの処方や、レーザー治療など、専門的な治療を受けることができます。