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顎の痛みにストレス関与心療内科という選択
顎の痛みがなかなか治まらない、特に思い当たる原因がないのに顎がだるい、朝起きると顎がこわばっている。このような症状に悩まされている場合、もしかするとストレスが関与しているかもしれません。現代社会においてストレスは避けられないものですが、過度なストレスは身体に様々な不調を引き起こします。その一つとして、顎の痛みや顎関節症が悪化するケースが少なくありません。ストレスを感じると、無意識のうちに歯を食いしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりする人がいます。これらの癖は、顎の関節や周囲の筋肉に過度な負担をかけ続け、結果として痛みや機能障害を引き起こすのです。このようなストレスが原因と考えられる顎の痛みに対しては、歯科や口腔外科での治療と並行して、あるいはそれらの治療で改善が見られない場合に、心療内科や精神科の受診が有効な選択肢となることがあります。心療内科では、身体症状の背景にある心理的な要因を探り、ストレスマネジメントの方法やリラクゼーション法などを指導してくれます。また、必要に応じて抗不安薬や筋弛緩薬などが処方されることもあり、これにより顎の筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽減する場合があります。もちろん、全ての顎の痛みがストレスによるものではありません。しかし、歯科的な検査で明らかな異常が見つからない場合や、日常生活で強いストレスを感じている自覚がある場合には、一度心療内科の医師に相談してみる価値はあるでしょう。特に、顎の痛み以外にも、頭痛、肩こり、不眠、気分の落ち込みといったストレス関連の症状が複数見られる場合は、心療内科的なアプローチが有効である可能性が高まります。歯科医や口腔外科医も、患者さんの状態によっては心療内科の受診を勧めることがあります。顎の痛みという身体的な症状だけでなく、その背景にある心の状態にも目を向けることが、根本的な解決につながる場合があることを知っておきましょう。